非常用発電機の更新工事で注意すべきポイントとは?更新工事の流れや耐用年数を紹介!

静岡県富士市を拠点に、全国対応で重量鳶事業を展開する日東機工株式会社です。


非常用発電機は、事故や災害によって外部からの電力供給が途絶えた際に電力を供給する、とても重要な設備です。近年の自然災害の激甚化を受け、災害対策として導入する企業や施設が増えているほか、一定の条件を満たす施設には設置が義務付けられています。


そのため、常に使用可能な状態にしておかなければならないのですが、肝心な時に故障していて使えなかった……というケースが珍しくありません。有事に備え、非常用発電機のメンテナンスはしっかり行うことが大切です。そこで今回は、非常用発電機が故障する原因や更新時期の目安、更新工事の流れと注意点について詳しく解説します。




■非常用発電機が故障する原因



非常用発電機が故障する原因はいろいろ考えられ、メンテナンスの際は不具合のある箇所を正確に特定する必要があります。特に多い原因としては、以下のものが挙げられます。



・バッテリーの劣化

非常用発電機の故障の原因の中で最も多いのは、バッテリーの劣化です。バッテリーが劣化すると電圧が不足して稼働できなくなるほか、充電器が故障して動かせなくなることもあります。また、経年劣化や気候の影響でバッテリー上部の蓋が膨張し、液漏れを起こすトラブルにも注意しなければなりません。


製品や使用頻度、保管場所といった条件にもよりますが、非常用発電機のバッテリーの耐用年数は5年〜7年程度です。電圧は正常か、容器に傷はないか、電解液の量は適切か、電極板に曲がり・剥がれはないか、そして触媒栓の有効期限は切れていないかといったことをメンテナンス時に確認し、必要に応じて交換しましょう。



・エンジンオイルの減少・劣化

非常用発電機は金属部品で構成されており、滑らかに稼働させるためにエンジンオイルを使用しています。しかし、エンジンオイルは年月の経過に伴い量が減少します。エンジンオイルが不足しているとエンジンの動きが鈍ったり、冷却効果がなくなったりするため注意が必要です。


また、エンジンオイルは熱や酸化、水分の混入などが原因で劣化することもあります。劣化したエンジンオイルを使い続けると、やはりエンジン部品の摩耗や燃費の悪化といったトラブルにつながります。エンジンオイルは2年に1回程度を目安に、メーカー指定のものに交換してください。




・冷却水の減少・劣化

非常用発電機を構成する機器の1つに、エンジンを冷却する役割を果たす「ラジエーター」があります。このラジエーターには冷却水が入っているのですが、冷却水は時間の経過とともに蒸発し、量が減少してしまいます。


また、冷却水を長期間使っていると、内部に水垢やサビが発生する可能性があります。いずれの場合でも冷却効果が低下し、エンジンがオーバーヒートするおそれがあるため注意が必要です。


一方、寒冷地では冷却水が凍結する場合があります。冷却水にはLLC(ロングライフクーラント)という不凍液が使われるため、たとえ寒冷地でも凍ることは滅多にないのですが、蒸発や汚れによって濃度・成分が変化すると凍ってしまう場合があるのです。このようなトラブルを防ぐためにも、1年に1回を目安に冷却水を交換しましょう。




■非常用発電機の耐用年数



非常用発電機が故障して使えない事態を防ぐためには、定期的に更新する必要があります。では、非常用発電機の耐用年数(寿命)はどのくらいなのでしょうか?


非常用発電機の耐用年数には、税法に基づいて決められた「法定耐用年数」と、国土交通省の「官庁営繕の技術基準」に基づく耐用年数の2種類があります。このうち、法定耐用年数は15年ですが、これは帳簿上の減価償却の基準となるものなので、機械がいつまで持つかとは直接関係ありません。


一方、官庁営繕の技術基準の耐用年数とは、国土交通省が管理する施設の建物や機材がどのくらいの期間使えるのかを、技術的な基準に沿って定めたものです。この基準では、非常用発電機の耐用年数を30年と定めています。


しかし、実際にはほんの10年程度で不具合が生じ、使用できなくなってしまうケースも少なくありません。なぜなら、上記の30年という数字は、普段から適切なメンテナンスを行った場合にそれくらいの期間使えるという意味だからです。


非常用発電機は日常的に使用するものではないため、不具合は生じにくいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、たとえ稼働させていなくても経年劣化は確実に起こります。また、非常用発電機を構成する部品や機器にも、それぞれ個別の耐用年数があります。


そのため多くの場合、実際の耐用年数は20年といったところです。非常用発電機の設置から20年程度を目安に、更新の計画を立てておくといいでしょう。それに加え、1年に1回は専門業者にメンテナンスを依頼し、不具合の修繕や損耗した部品の交換などを早期に行うと、寿命を最大限に延ばすことができます。




■非常用発電機の更新工事の流れ



非常用発電機の更新工事は大掛かりなものになることも多いので、スムーズに進めるためにも全体の流れを把握しておくことが大切です。そこで、更新工事の基本的な流れをチェックしておきましょう。


①業者への問い合わせ

まずは更新工事ができる業者への問い合わせを行います。後述するように、非常用発電機の更新工事は高度な技術力を要求されるため、実績豊富な専門業者に相談することが大切です。


②現地調査

業者に現地調査をしてもらいます。この調査結果をもとに、見積もりや工事計画の立案が行われます。


③見積もり

業者から工事の見積もりが提示されるので、内容をよく確認します。2~3社から見積もりを取り、比較検討した上で依頼先を決定するのがおすすめです。


④工事の契約

依頼する業者を決定したら、正式に工事の契約を締結します。契約書の内容は十分に確認してください。


⑤工事の実施

計画に従い、発電機の更新工事が実施されます。要望通りに工事が実施されているかどうかを、必ずチェックしておきましょう。


⑥設置届の提出

工事が完了したら、所轄の消防署に設置届を提出します。多くの場合は業者が代行してくれます。




■非常用発電機の更新をする際の注意点



ほとんどの場合、非常用発電機は屋外に設置されているため、更新工事の際は十分に注意しなければなりませんが、屋外への設置よりも、地下や屋内に設置する場合の方が難易度は上がるため、更なる安全対策を講じなければなりません。



また、そもそも重量物かつ精密機械であることから、取り扱いには注意する必要があります。そこで、非常用発電機の更新工事を行う際の注意点を確認しておきましょう。



・入念な現地調査が必要

前述したように、非常用発電機の更新時期の目安は20年です。しかし、設置してから20年も経過すると、周辺の環境が大きく変化していることも珍しくありません。


たとえば、設置当初にはなかった建物や電柱などができていると、それらが障害となってビルの近くに搬入用クレーンを設置できない場合があります。クレーンの揚重量を上げて少し離れた場所に設置すれば対応できることもありますが、当然ながらコストは高くなってしまいます。


また、消防法などの非常用発電機に関係する法令が改正されており、以前と同じような発電機が設置できない場合もあるでしょう。こういった状況の変化に対応するためにも、入念な現地調査や法令の確認を行い、適切な工事計画を立てることが大切です。重量物の搬入を得意とする業者に依頼すれば、現地調査から設置まで安心して工事を任せられます。



・分解して搬入するケースもある

現場の状況によっては、発電機を分解した上で搬入することもあります。この場合は、現場で発電機の組み立てを行いますが、これはどんな業者でもできるわけではありません。分解しての搬入出や現場での組み立てには、高い技術力が求められるからです。


普段メンテナンスを依頼している業者が、分解搬入出や現場での組み立てに対応できなければ、更新工事を任せることはできません。事前に確認しておき、必要に応じて発電機の分解搬入出に対応できる業者に相談するといいでしょう。




■まとめ



非常用発電機は、いざという時に確実に作動しなければ意味がない設備です。経年劣化は避けられないため、定期的なメンテナンスや耐用年数に合わせた更新は必ず行う必要があります。


専門性が高い機器だけに、搬入や設置にも高い技術力が求められますから、更新工事は実績が豊富な専門業者に依頼することが大切です。更新の時期が近づいてきたら業者に相談し、入念な現地調査に基づいて工事の計画を立てましょう。




■重量物の搬入・設置でお困りなら日東機工にお任せください!



日東機工では、産業機械や重量機械の搬入・据付工事を行っております。お客様へのご提案から各種施工、修理、メンテナンスまで、トータルサポートできる対応力・技術力の高さが強みです。


現場は静岡県にとどまらず、全国各地の製紙会社・変電所・自動車部品工場等を中心に対応しており、大手企業様の現場も多数ございます。取り扱う製品は、産業機械のプラント設備・電気設備・空調設備などさまざまです。


他社と比較した日東機工の特徴としては、60t門型リフターを保有している点が挙げられます。門型はリース会社でも10tまでしか扱っていないことが多く、10t超の重量物を運搬・設置したい場合は、日東機工のようなハイパワーのリフターを所有している会社のみが対応できます。


リフターのメリットは、横行・走行・昇降できるため、クレーンが入らない場所でも搬入できることです。狭い場所や室内、ピットに埋めてある場所などでの作業に重宝します。


また、弊社のリフター「TB600」は60t仕様で1門、30t仕様×2に分割すれば2門の組み立てができます。重量物は60t仕様、長尺物は30t仕様といった使い分けが可能です。


こういった対応力の高さにより、研究施設からも施工の依頼がありました。レンタルも可能で、ご希望であれば操作オペレーターも派遣いたします。その他の保有機材・車両は以下のページをご覧ください。


》保有機材


》クレーンが入らなくて搬入に困っている方!日東機工保有の門型リフターを使いませんか?


》門型リフターと門型クレーンの違いは?使用用途や使用する際の注意点を紹介!


また、日東機工では、重量物の搬入・据付工事の現場作業員(鳶職・重量鳶)として一緒に働いてくれる方を随時募集しております。弊社は上述した通り、全国各地で多様な現場を手掛けている会社です。さまざまな経験を積むことで、スムーズにスキルアップできます。出張もありますが、きちんと出張手当が出るため安心です。


重量機械の搬入・据付工事に関する資格をお持ちの方や、工事の経験がある方は優遇し、能力に見合った条件でお迎えします。もちろん、自主性や責任感のある方であれば、未経験者でも大歓迎です。


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