キュービクル内のトランス入れ替え工事のポイントと注意とは?重量物搬入工事のプロが徹底解説!  

皆さん、こんにちは。静岡県富士市を拠点に、機械重量物の搬入・据付等の施工を手掛けている日東機工です。


弊社では、提案から施工、メンテナンスまでトータルサポートで対応し、高い技術力で施工を実施しています。


さて本日は、キュービクル内のトランス入れ替え工事について説明します。

キュービクルのトランスは一定期間が経過すると、事故が起きたり、電力の消耗が大きくなったりするので交換しなければいけません。その際のポイントや注意点をまとめてみましょう。




■トランスの役割や耐用年数



まず、トランスの役割や耐用年数を確認しておきましょう。


トランスは変圧器ともいい、電圧を変える機器のことです。各家庭やビルでは発電所から電気の供給を受けますが、その際にトランスが必要になります。


電気の使用量が多いビルや工場では6600V以上の高い電圧、一般家庭では100Vの低い電圧に変換し、安全に使えるようにします。工場やビルの場合、キュービクルの内部にトランスが設置されていることが多いです。


トランスの寿命は8~15年程度。これは法定耐用年数で、一応の目安です。使い方が良ければ、法定耐用年数以上に使うこともでき、寿命はさらに延びます。


ただし、長く使う場合は注意が必要。トランスには常に高電圧の電気が流れているので、漏電や爆発事故などが起きないようにしなければいけません。




■トランス交換工事の流れ



トランス交換工事の流れを確認しましょう。



・事前確認

トランス交換工事に先立って、まず事前確認を行います。


キュービクルのトランス交換工事の場合、設置スペースを確認し、トランスの搬入経路、PCB(Poly Chlorinated Biphenyl:ポリ塩化ビフェニル)などの混入を確認します。PCBが混入していると、専門機関に廃棄手続きを依頼しなければいけません。



・耐電圧試験・停電作業(電気工事会社)

次に行うのは新しいトランスの耐電圧試験です。耐電圧試験で、トランスが使用電圧に対して十分な絶縁耐力があるかどうかをチェックします。


やり方は通常取り扱う電圧の1.5倍の交流電圧または2倍の直流電圧で、規定された電圧を規定された時間印加したときの反応を見るというものです。ここで絶縁破壊が起きなければ、絶縁耐力は十分で、感電事故や火災事故が起きにくいということになります。


耐電圧試験と同時に行うのが停電作業です。



・放電作業(電気工事会社)

停電作業をしたら、キュービクル内のDS(断路器)に放電作業を行います。続いて、DSに短絡接地を取り付けます。



・トランスの離線・搬出

ここからは、いよいよトランスの交換工事の開始です。


まず、トランスの離線を行い、足元のボルトを外し、搬出します。



・基礎工事(※必要があれば)

搬出したら、新しいトランスを設置するのですが、その際に基礎工事が必要になる場合があります。基礎部分を加工して、穴を開け、ピッチを合わせるなどの作業をすることがあります。



・新しいトランスを設置

基礎工事を行う場合は済んでから、必要ない場合は、そのまま新しいトランスを設置します。これでキュービクルのトランス交換工事の完了です。


トランスの交換だけの作業だと、数人程度の作業員でそれほど時間をかけずに終わらせることができます。ただ、トランスの容量によっても工事にかかる時間は違い、半日停電することもあるので、準備をしておいてください。




■トランス交換の際の注意点とは


トランスの交換を行う際には注意点があるので、確認しておきましょう。



・トランスの搬入経路の確認

トランスは非常に重い機器です。小さいものでも100kgの重さがあり、大きなものだと数tもするものがあります。


そのため、搬入経路の確保が非常に大切になってきます。トランス交換工事の事前確認で、搬入経路が十分確保できるか見ることで、スムーズな運搬・設置につながるでしょう。



・設置スペースの確認

キュービクルのトランスを交換するのなら、新しいトランスがキュービクルの中のスペースに収まらなければいけません。収まらないと、交換ができないのです。


そのため、必ず行わなければいけないのが設置スペースの確認。確認した結果、現在のキュービクル内に十分な設置スペースがないということなら、サブのキュービクルを1基増やさなければいけません。



・PCBの確認

トランス交換工事の事前確認のところで、PCB混入の確認について簡単に触れておきましたが、ここでもう少し詳しく説明しましょう。


PCB(Poly Chlorinated Biphenyl:ポリ塩化ビフェニル)は人工的に作られた油状の化学物質です。以前は、トランスやコンデンサー、安定器に普通に使用されていました。


ところが、1970年ごろに有毒性があることが明らかになり、日本では製造や輸出入が禁止になります。そのため、1973年以降に製造されたキュービクルにPCBが使用されている可能性は低いのですが、低濃度のPCBが部品によって含まれている可能性がないとは言えません。


PCB廃棄物は期限内に処分しないと罰則が適用されるので、処分方法を環境省のホームページなどで確認して、対処するようにしましょう。




■業者の選び方



トランス交換工事を依頼する場合、どの業者を選ぶかは非常に重要です。納得のいく工事をしてもらうためにも信用できる業者を選ばないといけませんが、そのためのポイントを解説しましょう。



・実績が豊富

トランス交換工事を依頼するときは、実績が豊富な業者を選びましょう。


重量の重いトランスは限られたスペースしかない屋上や店舗・事業所内で、他の大型・重量物とのスペースの兼ね合いで設置することになりますが、経験や実績不足では、うまくできないことがあるからです。


また、トランスはほとんど屋上や高所に設置されているので、周辺環境も考慮しながらの交換工事が必要になりますが、その際にも過去の実績がものを言います。



・対応地域はどこか?

トランス交換業者の対応地域を見てから選びましょう。


地域に根差した業者なら、素早く到着して、交換工事からその他のメンテナンス工事をスピーディーに行ってくれます。


全国展開の業者の場合、支店に作業を行わせるケースと地域の契約先に作業を行わせるケースがあります。いずれにしろ、ポイントになるのは到着までの時間。


トランス交換では電気を止めなければいけませんが、業務が中断する時間が長くなると、運営にも影響が出てきます。そのため、早く到着して、早く作業をしてくれる業者を選びたいものです。



・工事に対応した機器などを保有しているか

トランス入れ替えを依頼する際には、業者が自社で専用車両や機器を準備できるのかも見ておきましょう。

対応した機器がないと、搬入や撤去ができませんので、料金にリース代など上乗せされる可能性があり、自社の保有機材であればリースよりは安く済む場合があります。


また、変電所のように大規模な施設では、大きな変圧器を変えることも多く、重機が使用できない現場もあります。その際には門型リフターを使うことが必要となる場合があります。




■まとめ



今回は、キュービクルのトランス工事に関する説明をしました。


トランスには寿命があり、寿命を超えて使用すれば、思わぬ事故が起きたり、電力の消耗が大きくなったりします。そのため、交換工事の必要が出てきます。


記事ではそのポイントや注意点も紹介したので、ぜひ参考にしていただき、キュービクルのトランス交換工事を滞りなく進めていただければ幸いです。


日東機工でもキュービクルのトランス交換工事を行っています。弊社は静岡県富士市を拠点に全国で工事を行っています。実績も豊富で、ノウハウも蓄積しているので、他社では難航する施工も得意です。

また、弊社では、変電所にあるような大きな変圧器を交換するための、門型リフターを自社で保有しておりますので、安心してお任せください。

キュービクルのトランス交換工事をご希望なら、ぜひ日東機工までご依頼ください。


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■変圧器(トランス)の交換でお困りなら、ぜひ日東機工の門型リフターをご活用ください!



日東機工は静岡県富士市を拠点に産業機械や重量機械の搬入、据付工事を行っている会社です。顧客へのご提案から、各種施工・修理・メンテナンスまで、トータルサポートできる対応力・技術力の高さが弊社の強みです。


現場は静岡県内だけでなく、全国各地の製紙会社、変電所、自動車部品工場などにも対応。取り扱う製品は産業機械のプラント設備・電気設備・空調設備など様々です。全国に大手企業様の現場もあります。


弊社が保有しているリフターは60t仕様で1門、30t仕様の2門で組立ができます。重量物の際は60t仕様、長尺の物は30t仕様と使い分けることが可能です。


門型リフターはリース会社でも10tまでしかなく、10t以上は弊社のように持っているところに依頼する必要がありますが、安心してお任せください。レンタルも行っています。操作オペレーター付きでのレンタルも可能です。型式はTB600です。


クレーンが入らない場所でも搬入できます。横行、走行、昇降しますのでクレーンが入らない場所やピットに埋めてある室内には重宝します。重量機械の移設作業では、弊社のリフターが大活躍するでしょう。


弊社は無事故・無災害を大切にしながら短い工期で施工を行うように努めています。ご提案から各種施工、修理、メンテナンスまで一貫対応し、手間や時間、コストも低減させます。施工実績も豊富な弊社は長年のノウハウから蓄積された技術で難しい作業も確実に実施。どのようなご依頼にも対応するようにしています。

必要であれば電気の離線、結線なども協力業者にお願いして対応可能です。


重量機械の移設・運搬をお考えなら、ぜひとも日東機工株式会社までご用命ください。



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