キュービクルの撤去から搬入までの工事の流れや注意点を紹介


皆さん、こんにちは。静岡県富士市で重量鳶として事業を展開する日東機工株式会社です。


キュービクルの更新工事に伴い、撤去や搬入をしなければならないけど、工事内容を知らない・どこに頼んだらいいか分からないなど、不安を抱えている担当者の方がいるのではないでしょうか。


そこで今回は、キュービクルの更新工事の流れと運搬に使用する機器、搬入や入替の際の注意点、業者選びのポイントについて紹介します。




■キュービクル更新工事の流れとは



キュービクル本体の耐用年数は8~15年と言われており、老朽化した場合、漏電や火災などの事故を引き起こす可能性もあるため、定期的な交換が必要です。通常の設備の入替作業と異なり、撤去して新しいものを取り付けるだけではなく、確認するべき事項や手続きが煩雑です。キュービクル更新工事の流れについて紹介します。



・打ち合わせ・計画立案

現地調査を行って、搬入撤去経路や作業可能なスペースを確認します。場合によっては、図面が最新でない場合もあるので、現状と図面を照らし合わせておくことで、当日の作業をスムーズに行うことができます。

機器の状態によって、更新や部品交換で対応できる場合と入替工事が必要な場合に分けられます。

現場状況や機器の状態を把握し、どんな工事が必要かを検討します。その結果に合わせて図面作成、工事の流れの確認や見積金額の算出、スケジュールなど全体の計画を立案します。

古いキュービクルでは、発がん性物質であるPCB(*1)が含まれた絶縁油を使用している可能性があります。PCBが含まれている場合、通常と処分方法が異なるため、撤去する機器にPCBが含まれているかを検査する必要があります。ご自身で簡易測定することもできますが、危険性の高い物質のため専門業者への依頼がおすすめです。

(*1) Poly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の頭文字をとった略称


・運搬

クレーンや重機を用いて搬入を行います。キュービクルの重量や形状、運搬経路やスペースを考慮して、安全第一で運搬します。道路上にクレーンを配置する必要がある場合には関係省庁に届出を行います。警備員の配置が必要な場合や道路を使用する時間が限定される場合もあります。



・撤去

一旦、電気を停止させ撤去工事をします。更新工事を行う建物内部の業務への影響を減らすため夜間に工事を行う場合も多いです。冷蔵庫や冷凍庫があるなど電気を停められない場合は仮設電源を準備します。



・設置、据付

搬入したキュービクルを設置します。重量があるので一度設置するとやり直しが困難なため、四隅の位置や配置場所を確認する事前の位置合わせが重要なポイントとなります。仮置きした後も、水平を合わせる作業やボルト締め作業を細心の注意を払いながら行います。耐圧試験や通電試験や最終調整を行い正常に作動しているか確認して工事完了です。




■キュービクルはどうやって搬入する?搬入方法とは?



キュービクルの搬入方法は設置場所によって異なります。搬入に使われる重機について紹介します。


・クレーン

クレーンは、伸ばしたアームで重量物を吊り下げて運ぶ機器です。運ぶものの重さや現場でアームの取り回しをするスペースがどのくらい確保できるかによって、クレーンの種類とアームの伸ばし方や組み合わせを選定します。


・ローラー

ローラーは、重量物を載せて転がして移動や運搬する機器です。クレーンの使えない場所で活躍します。搬入経路に合わせて、直進タイプや旋回の容易なタイプ、路面の凸凹に強いタイプなどを選択します。


・ジャッキ

ジャッキは、重量物の下において支えたり持ち上げたりする機器です。持ちあげる仕組みによって、油圧ジャッキ、ねじジャッキなどさまざまな種類に分けられます。使用目的に合わせて使い分けを行います。


・スライディングペーパー

スライディングペーパーは、大型重量物の設置時に自由自在に動かせる丈夫な紙です。4t程度まで移動可能です。狭いスペースでの取り回しや細かい位置調整に適しています。




■キュービクル搬入・撤去工事の注意点を紹介!



キュービクルの搬入や撤去工事における注意点について紹介します。

キュービクルは高層階や地下などの限られたスペースに設置されていることも多く、搬入経路においても狭い場合が大半です。

上層階への搬入ではクレーンの使用頻度が高く、適切なクレーンサイズ選定や、重量物を安全に吊り上げるための経験や技術が特に必要になります。

また、PCBが含まれた機器を撤去する場合、絶縁油の漏洩には十分な安全対策と細心の注意が必要です。PCB含有機器は全世界で完全撤廃する条約が締結されており、2027年までに処分することが義務付けられています。そのため、リサイクルやリユースすることはできません。細かく規定された廃棄手順に従って処分する必要があり、行政への届出、流出の危険性を排除した適正な保管、指定施設での処分などが定められています。処理施設は全国で5か所しかないので、処理能力に限界があり、数年間待機しなければ処分できない場合もあります。処分の待機中は、他人が立ち入らないようにすること、施錠すること、PCB保管中の掲示をすること、飛散や浸透、腐食を防止することなど多くの措置を講じなければなりません。

PCBを含むキュービクルの処分には高額な費用が掛かりますが、補助金制度も利用可能です。





■重量物を搬入する際の業者の選び方



重量物を搬入するには、搬入物の破損を防ぐだけでなく周囲の安全を確保する必要があります。搬入業者を選ぶ際に確認するポイントについて紹介します。



・限られたスペースでも設置対応できる技術力、対応力

停電させる時間は短いに越したことはありません。よってスピーディな対応ができることは重要です。また、現場で何らかのトラブルやイレギュラーが起きた場合でも、打開策を考えられる対応力のある業者、それを実現する技術力のある業者であれば、安心して任せることができます。


・大手企業をはじめ十分な施工実績がある

依頼を検討している企業のホームページを確認し、十分な実績事例があれば、その業者は経験が豊富であり、お客様からの信頼されている証拠となります。

キュービクルは工場などの施設において、非常に重要な役割を果たしているため、安心して任せられる業者を選ぶことが大切です。施工実績が多いと、経験も豊富なため急なトラブルでも問題なく対応してくれるでしょう。

また、大手の工場は安全管理が厳しい場合も多いため、大手と取引がある業者であれば、工事の際に必要な管理がしっかりと行き届いている場合が多いです。




■まとめ



キュービクルの撤去工事や更新工事の流れや、使用する重機、業者選びのポイントについて解説しました。キュービクルは安定した電気供給を支えています。停電が起こってしまうと生活に様々な支障が起きてしまい、生活に支障をきたします。また、老朽化したまま使い続けると、電気の効率が低下してランニングコストが増えてしまうだけでなく、漏電や火災を引き起こしてしまう可能性もあります。定期的な点検と適切なスパンで更新工事を行いましょう。

キュービクルは、老朽化による更新工事だけではなく、電気設備の増設による増設工事、事業縮小による減設工事など、様々な理由で工事が行われています。

経験豊富な業者に任せることで、スピーディかつ安全な設置が可能となります。

業者によって対応範囲や料金など変わってきますので、事前によく確認し、業者選びは慎重に行いましょう。

業者選びに悩まれた際の参考としていただけると幸いです。




■重量物の搬入・設置でお困りなら日東機工にお任せください!



日東機工株式会社は、産業機械や重量機械の搬入、据付工事を行っている会社です。

これまでも県内だけでなく全国各地のお客様からご依頼を受け、製紙会社、変電所、自動車部品工場等を中心に施工しており、大手企業様の現場も担当しています。お客様へのご提案から、各種施工・修理・メンテナンスまで、トータルサポートできる対応力・技術力の高さが強みと自負しております。取り扱いできる製品も産業機械、工作機械、プラント設備、電気設備、空調設備など様々です。

クレーンが入らない場所でも搬入可能な60t門型リフターを保有しています。他社様で搬入経路の確保が難しいと言われてお困りの場合でも、当社であれば対応可能です。どんな現場においても重量物をスピーディに安全に搬入取付のできる機材を保有しているので、搬入設置方法の選択肢が格段に多く、更にそれを使いこなす高い技術力を持っています。

プラント設備など重量物の搬入や設置工事を検討されている方、点検を希望される方、設置工事でお困りごとを抱えている方はまず一度お問い合わせください。丁寧な現場調査の上、ニーズとご予算を詳しくお伺いして、お客様に合わせた提案をさせていただきます。


随時、重量物の搬入・据付工事の現場作業員(鳶職、重量鳶)も募集しております。重量鳶は、電気、空調、給排水など建物の基本的な機能を担う大型設備を搬入設置するスケールの大きな仕事です。無事設置を完了した時には大きなやりがいを感じることができます。手に職を付けたい方、資格を取得したい方、人々の生活の役に立つ仕事に興味がある方、将来的に独立を視野に入れて考えたい方は、お気軽にお問い合わせください。




▼施工事例▼

》キュービクル搬入、据付


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