重量物を運搬する際に使用するチルローラとは?利用時の注意点など解説!

皆さん、こんにちは。静岡県富士市で重量鳶として事業を展開する日東機工株式会社です。


重量物を運搬するときには、安全かつ確実に運搬する必要があります。このためにさまざまな機械や設備が使われますが、そのひとつにチルローラと呼ばれる道具があります。このチルローラを使うことで、狭い場所でも重量物の運搬や移動が効率良くできるようになるのです。


この記事では、重量物の搬入方法やチルローラとはどのような道具なのかについて、詳しく解説します。




■重量物の定義とは



最初に、重量物の定義がどのように決まっているのか、簡単にご紹介します。


重量物の定義は、労働基準法などで定められています。例えば、断続的な作業(継続的ではない、1度限りの作業)であれば、18歳以上の男性は55kg以下が限度と通達が出ています。女性の場合は、30kgとの規定があるのです。


荷物を繰り返し運ぶなどの同じ作業を継続して行う場合は、18歳以上の男性は体重のおよそ40%以下に努めるとの通達があります。女性であれば、20kgが規定です。


上記の定義は、機械を用いる作業には適用されません。ただし、機械ごとの重量制限を守るようにしましょう。



■重量物の主な搬入方法



重量物の搬入方法には、大きく分けて以下の2つがあります。



・揚重・空間搬送

クレーンなどを使って、重量物を空中で吊り上げて移動させる方法です。高さや角度を自由に調整できるので、障害物が多い場所でも対応できます。しかし、搬入先によっては、クレーンが入れないこともあり、使用できないこともあります。また、大型機械や専門的な技術が必要であり、コストや時間がかかることがデメリットです。



・地上搬送

フォークリフトやチルローラなどを使って、重量物を地上で押したり引いたりして移動させる方法やスライディングペーパーを重量物と床面との間に敷き、滑らせて移動させる方法もあります。

比較的安価で行えるので、一般的によく使われます。床面への負荷や振動・騒音が少なく、スムーズに移動できるのがメリットですが、床面の状態や形状によっては使用できないことがデメリットです。



■重量物を運搬する時に使うチルローラとは



・チルローラとは

チルローラとは、重量物を運搬する際に使う機材の一つです。このチルローラの上に重量物を載せ、転がして重量物の移動や運搬をします。


重量物の移動や運搬を行う際には、クレーン・フォークリフト・ホイストなどを使うこともありますが、全ての現場でこれらの機械が使えるとは限りません。特に、限られたスペースで作業をする工場では、機械を移動する作業は一時的であるため、機械を出し入れするスペースは常時設けていないのです。


チルローラを使うことで、工場や道路・市街地などの機械作業が困難な狭い場所であっても、重量物の運搬・移動を安全かつ効率的に実施できます。


また最近では、チルローラも電動駆動のものもあり、 搬送作業の省力化が可能です。

電動でローラが自走するので、けん引装置を使用せず、重量物の搬送がおこなえます。



・チルローラを使うメリット

チルローラは低床タイプになっており、台車などに載せるよりも簡単に載せることができます。大きな機械の移動にはフォークリフトなどが役立つ場合も多いですが、フォークリフトが入らない時などに使用します。



また、チルローラを使うと、重量物に振動を与えず、床も傷つけずに移動が可能です。振動が加わると、建物と重量物両方の耐久性に影響する可能性がありますが、チルローラの利用によりリスクが軽減されます。


チルローラの構造はシンプルであり、壊れたとしても簡単にメンテナンスができます。一度購入すると長期間利用でき、経済的な道具と言えるでしょう。



・チルローラを使うデメリット

床面の状態や形状によっては使用できなく、床面が平らでないと使用できません。

床面が粘着性や摩耗性の高い素材であると、ウレタンローラーが傷んだり引っかかったりする可能性があります。


また、チルローラは重量物移動用コロであるため、最大能力に制限があります。チルローラの最大能力は40t程度です。これを超える重量物を移動させる場合は、他の方法を検討する必要があります。




■チルローラの種類と特徴



・チルローラの種類

チルローラには多くの種類があり、重量物の重さや大きさに加え、現場の環境や搬送経路の状況に合った種類を選ぶことが大切です。


W型はオーソドックスな4輪タイプであり、直進だけができるものです。S型の2輪タイプは旋回が簡単にできる点が特徴です。WB型は凸凹の路面でも安定して運搬でき、長距離走行に適しています。WS型は最も低いチルローラで、重量物を載せやすくなっています。



・チルローラの特徴

チルローラは、フレームとローラから構成されています。トッププレートにターンテーブルが設置されているため、自由に旋回・走行できるのが特徴です。ローラにウレタンローラを使うことで、コンクリート路面で走行でき、優れた防振性を持っています。方向転換が必要な場合や、床面の凹凸・傾斜を下げる場合には、専用ハンドルを使って調整します。




■チルローラの利用時の注意点



チルローラを利用する時の注意点として、重量物の安定性を確保することが重要だという点が挙げられます。大きいものを移動させる際に、異なる種類のチルローラを組み合わせて使うと、高さに違いが生じ、バランスを保つことが難しくなります。重量物をチルローラに乗せる際には、重心位置や荷重分散を考慮し、安定性を確保する必要があります。


バランスが崩れたまま重量物を動かすと、重心が低い側にずれるため非常に危険です。この危険性を回避するため、チルローラは同じ種類のものを使うようにしましょう。バランスが崩れていても、一旦動き出すとスムーズに進む場合もあります。ただし、急には停止させられないため、ゆっくりと余裕を持って動かすことが重要です。


その他に注意すべき点として、運転者や作業者の安全を確保する必要があります。運転者は、重量物の移動速度や方向を常に注意し、周囲の状況や信号にも配慮しながら操作する必要があります。作業者は、重量物の落下や転倒などの事故を防ぐために、適切な距離を保ちながら作業する必要があります。また、チルローラのメンテナンスや点検も定期的に行うことで、故障やトラブルを予防することができます。




■まとめ



この記事では、重量物の運搬に使用するチルローラについて解説してきました。重量物の移動や運搬を安全かつ確実に行うには、チルローラが欠かせなくなっています。

チルローラは床面への負荷や振動・騒音が少なく、スムーズに移動できるメリットがありますが、床面の状態や形状によっては使用できないデメリットもあります。

重量物を搬入する際には、それぞれの機器の利点や搬入方法を理解し、注意点に留意しながら、現場に合った機器を使うことが大切です。


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